強揉みをしない訳

前回の終わりの方で強い刺激を入れないほうがいい場合があるということを書きましたが、今回はその理由を。

ちゃんといいことはあるんです。昔(私が生まれた頃か、それよりも前の時代)は刺激が強ければ強いほど効果がある、なんて言われていたこともあるようですし。

もみほぐしをしなくても骨を鳴らすような施術(公式にはスラスト法、私らはアジャストと呼んだりしてます)が全盛だったりしたこともありますし。

ただ令和の時代、というか平成の終わりごろからですかね。

整体はソフトタッチの時代になり、ボキボキしない整体ということを売りに出しているようなお店が増えました。

地域によっていろいろ違ってくるようですが、ガンガンに押す手技を行うお店は整体屋さんでは見かけることはなくなり、60分いくらのもみほぐしリラクゼーション店だけがほぼ行うようになりました。

施術者ごとに勉強すること、興味のある事は違ってくるのであまり言うべきではないのでしょうが、強い刺激をするメリットよりも大きいデメリットが見えてきてしまったのと、すずしろ鍼灸院ではほぼそういったことをやってないので、その理由を書いたほうが納得してくれる人もいるかなぁ、ということで。

でも念のため言っておきます、うちは鍼灸院であって揉み屋じゃないです。

・強揉みのメリット

・強揉みする伝統手技

・強揉みのデメリット

・鍼灸の強刺激

・揉み返しについて

・まとめ

・強揉みのメリット

最初は良いことから。
というか個人的にやらないだけで、別に強揉み反対!みたいなスタンスを取ってるわけじゃないですからね…

強揉みをするメリットは、何よりもやられた感です。

力を使ってグイグイと。痛いけど気持ちいい、こんなに熱意のある施術をやってくれてるんだから効かないわけないじゃ~ん!といったような気持ちになるのは強揉みの最大の特徴です。やられた感というのは意外と施術効果に大きな影響を及ぼします。

筋肉量の多い人など、なにかしらが原因で押圧が感じにくい方にも施術されている実感が入りやすいということもあります。何よりも筋肉に刺激を入れることで、集中力を発揮するための神経伝達物質であるドーパミンが産生され、一時的に良いパフォーマンスが出せることがあります。

・強揉みする伝統手技

逆に、今の流行とは違って、基本的に強い刺激を入れることを前提にした手技があります。

韓国発祥とされる「骨気(コルギ)」と呼ばれるものが代表的です。

リラクゼーションや治療目的のところよりも、エステなどの美容目的を主とした施設で行われることが多いですかね。小顔矯正などの手技で使われていることがほとんどでしょうか。全身やってる、というのはあまり聞いたことないです。やってるところもあるかもしれません。

名前に「骨」とついてるだけあって、筋肉に強い刺激を入れる、というよりかは骨に対してガリガリゴリゴリ刺激を与えて、力技で矯正をしていくような印象です。試しで受けたことはありますが超いたかったです……本当に泣くほど……

ただ韓国ではこういった力による手技がメインなのか、以前勤めていたところに通われていた韓国系の方は全員強揉みがお好みでした。

※あくまで山本の体験談なので実際は違うこともあります

・強揉みのデメリット

と、いうわけでデメリットです。

うちでやらない理由の基本的な考え方になります、以下箇条書き

  • 筋肉が硬くなる
  • 圧す刺激に耐性ができる
  • 欲求が強くなる
  • 施術による怪我のリスクが増える

それぞれ解説していきます。

・筋肉が硬くなる

そもそも筋肉の作用は、収縮して関節運動を起こすこと、外からの攻撃から身を守ることなので、圧す刺激そのものが本来は有害な刺激になり、筋肉を硬くさせます。守るために硬くなっている筋肉を柔らかくするには、定義上破壊するしかありません。デストロイデストロイ。ちなみにこれを打撲、または筋挫傷といいます。

・圧す刺激に耐性ができる

有害な刺激に対して身体は徐々に耐性をつけていきます。

ボクシングの選手が、トレーニング用の重いボールをおなかに落としてボディブローへの耐性をつける、というトレーニングが有名ですが、アレと同じです。硬く、強くするために行っているので、背中や肩の筋肉に対し、同じことをやって反対の作用が出るのでしょうか…

・欲求が強くなる

やればやるほど基本的には悪化する上に、どんどん耐性自体はついてきてしまうので

「もっと強い力で」

「もっと長い時間を」

「もっと痛みが出ることを」

と徐々にエスカレートしていきます。

個人的にいちばんよろしくないと思っているのは、

「それじゃないと良くならない」と思い込むパターンです。

強揉み自体を否定しないのは、強くガンガンやってほしいという要望に対して、それを提供しているお店があるからです。
これ自体にいいも悪いもないです。というか需要と供給が釣り合っているのである意味推奨すべきでしょう。
ただ、すべてのお店が強圧しを提供しているわけではありませんし、令和の時代ではスタンダードなやり方ではない、ということを覚えていただければありがたいです。

あと、そもそも強圧しの施術と身体の状況を改善していくことは相関性ないですからね。

・施術による怪我のリスクが増える

いちばん報告として多いのは、リラクゼーションなどのお店で背中を強くやりすぎて肋骨を骨折させた、といった報告でしょうか。めったに起こるようなことじゃありませんが、背中の筋肉は意外と薄いのと、肋骨の作りがすでに曲がっていて押圧刺激が分散されづらい、といった理由もあります。

特に何度も強圧しの刺激を受けて、感覚が鈍くなっている場合は危険性が高いです。

術者の方も痛みの確認だけでなく、筋肉や骨の反応を確認して施術する必要があります。

とまあ、デメリットというか、基本的には強さを求められると終わりのないこと、

経験上・学術上・定義上、強圧しとそうでないものに比べて差がないこと、
怪我をさせてしまう可能性のほうが高いこと。
これらがうちであんまり行わない理由になります。

そんなはずない、俺は強圧しで楽になったんだ、という声もきっとあるでしょう。

メリットの項で書いたドーパミンによる神経作用で気にならなくなったのと、筋肉そのもののパフォーマンスが上がることにより一時的に動かしやすくなったりはします。

肩こりや腰痛に関しては、気にならなくなった、というのがいちばん重要なことでもあるので、なんでもかんでも否定はしません。ただうちではやりません。それだけです。

・鍼灸の強刺激

ここまでもみほぐしによる強圧しの話でしたが、鍼や灸による強刺激というのは可能なのか、ということについて。

可能ではありますが、うちではこれもまたやっていません。

鍼での強刺激とは、太い針を深く刺して電気を流す、といったやり方になります。

個人的な考えですが、

「電気を流して楽になるのであれば、整形外科や整骨院で楽になっているのでは…?」

と。要約すると自費でお金をもらうのに対して、効果を考えるとなぁ…って。

鍼灸院に来られる方は、だいたい病院なり整骨院なり、健康保険が使えるところに先に行ってから来られる方が多いので、同じことするのも効果がない、とは言いませんが方や数百円、こっちは4,000円。まぁ色々含めると病院のほうが得られる金額多ゲフンゲフン。

電気を流すこと自体は研究実験で効果がある、と確認されてはいます。

ただ4,000円以上もらうのに、電気流すやり方はなぁ…と、勝手に私が抵抗感じてやってないだけです。要望あればやろうかな、くらいは。

ちなみに、お灸の強刺激ですが、これはやる予定はありません

ものっすごい、においと煙とヤニが出るタイプのモグサを使わないとできないので、少なくとも店舗を借りている状態でやることは出来ないな…ということで。

・揉み返しについて

よくリラクゼーションに行った後に「揉み返しにご注意ください」といったような張り紙があったりします。揉み返しを好転反応(良くなる前に一度悪化した症状が出る)だ、という意見もありますが嘘です

ただの筋挫傷です。ケガです。
そういうことをいう理由はただの施術者側の願望です。

ほとんどのケースでは症状が軽いので1週間前後で消えますが、不安なようであればお医者さんにかかってください。

あと、気を付けてほしいのは「揉み返しになったらそれを鎮めるための施術をします」という文句。

鎮痛のための施術はもちろんありますが、そんな簡単じゃないです

少なくとも揉み返しを起こすような施術者にはできない程度の難易度ではあるので、家でシップを貼るなりした方が施術を受けるよりも有効です。

・まとめ

①強圧しにはメリットもあるが、デメリットの方がデカくて数が多い

②伝統的な強い刺激の施術方法もある

③筋肉が硬いのは、何かから守っているから。少なくとも硬い筋肉は正常のパターンが多い。

④揉み返しはただのケガ、そのケガを癒せる技術があるなら最初から揉み返し起こしていない。

以上です。

また見てね。 ノシ

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